シニカルで粗暴、ロマンチストで哲学的。そんなオーフェンのセリフでふと目に留まったモノをピックアップしてみました。
「例えば官憲は腐敗した暴力でもって容疑者を虐待し、留置所で賄賂を要求するに違いないとか、殺し屋とは冷徹な仮面に燃える狼の心臓を秘めた孤高の戦士であり、恐るべき強敵であるに違いないとか。」(出典:我が呼び声に応えよ獣) オーフェンの殺し屋に対する幻想。シリアスで高度な言い回しを用いている様でいて、実は物凄くガクリと来るシーンなのがツボ。
「この恒星スペクトル的超絶底抜け大たわけが!」(出典:我が命にしたがえ機械) 低次元な言争いの中、もっと高次元な言い合いを、と言われて出てきた言葉。天文学・スペクトル分解技術という高度な科学を用いた、確かに高次元な表現(笑)。
「七人中、六人が逃げて、五人を取っ捕まえた。その時点でとりあえず金になりそうな財産を持っていたのが四人で、返す気があったのがそのうち三人。で、途中で気を変えて逃げ出したのがいて、残りはふたり。ひとりは交通事故で椎間板ヘルニア起こして緊急入院、もうひとりは食い逃げで警察に捕まり、留置所で警官殴って刑務所行きだ」(出典:我が胸で眠れ亡霊) モグリの金貸しを営むオーフェンの、顧客とその現状を表すセリフ。個人的に、これに対してマジクが発する「・・・カウントダウン人生・・・」というのが真の名台詞。
「真の恐怖と混乱はだ、げろぐちょなものがいきなり飛び出してきたから起こるってもんじゃない。一見まともそうに見えながら、実は信じがたいわがままだったりじゃじゃ馬だったりすることによって引き起こされるんだ」(出典:我が意志を伝えよ魔王) 言っている内容は勿論、その言い回しが好き。
「・・・どうやって死んだとしても、何のために死んだとしても、同じことだろ。いつ死ぬのだって同じさ。数日間、死ぬのが先になったところで意味が無い。死んだら、それで終わりだ。それこそ、何年か前に死んでいたとしても、五十年後に老衰して死んでも、どうってほどの違いはない。―だからそこ、死には抗っていなきゃならない」(出典:我が聖都を濡らせ地涙) オーフェンの哲学が垣間見えるセリフ。
「運命なんてものがあるんなんら逆らえないような気もするが、一応、予防だけはしてみよう。努力ってのはそういうもんだって、姉さんも言ってたし」(出典:我が夢に沈め楽園) オーフェンの哲学が(以下略)第2弾。「一応」を強調する「、」使い方がステキ。
「その思い出をぬぐって人生の再起をはかるのに十年かかる程度」(出典:我が夢に沈め楽園) ただ単に「立ち直るのに10年かかるくらい」と言わない、その表現が好き。
「知らないふりをしておいて、相手が至福の絶頂に達した瞬間、容赦なく致命的な一撃をたたきつけるのが、快感なんじゃねぇか」(出典:無謀編1「人の話を聞きやがれ!」) オーフェンの哲学が(以下略)第3弾。
「くそ、負けるか!俺は絶対に幸せになるぞ!なってやる!幸福のためなら死んだって構うかっ!独り言だっ!」(出典:無謀編2「馬鹿は一人でたくさんだ!」) 本末転倒(^^;)。「健康のためなら死ねる」と友人が言っていたのを思い出した。
「馬だって、首だけで空飛んできたら怖いだろーが!ひとつのものが分かれて行動したりしちゃいけないんだぞ!まるで一人前の人間みたいなことしやがって!―そんなことでどうする、ドーチン!お前は独立独歩の人間だろう!?自由意志は誰にでもある!誰にでも使えるんだ!あんな性悪警官に十把一からげ扱いされたからって、卑屈になるんじゃない!」(出典:無謀編3「お前はいったいなんなんだ!」) 一人で現れたドーチンに対して。前半と後半の間に「わかりました、一度家に帰って人生についてよく考え直してみます。・・・お金の話はまた今度、ってことで」(←うる憶え)が入る。変わり身と、その熱い表現が素晴らしい(笑)
「そして!ボスの鎖骨を―この期に及んで命乞いか!?てめぇもボスなら、俺の予定通り潔く鎖骨を折られろ!―そーだ。お前の鎖骨が折れて証拠品を押収すれば、俺の生活が平穏になるのだ」(出典:無謀編4「さよならなんて言わねぇぜ!」) オーフェン、鎖骨マニアであることが発覚。
「うるせぇ、紙!―黙れ紙!―やかましい!紙は紙だ、紙!紙の分際で直立歩行しやがって、紙は紙らしくハナでもかまれてろ!なぜなら紙だからだ!分かったか紙!―とにかく紙が!へらへらすんな紙!うすっぺらいんだ紙!はっとくと湿気をすって縦目にたわむぞ紙!」(出典:無謀編5「俺に構わず死んでくれ」) マシンガン罵倒。紙を罵りたいのならぜひ参考に(笑)。これがスラスラ出てくるオーフェン・・・ある意味才能?
「任務完遂率は限りなくゼロに近く、根拠のない無意味なミスから発生するトラブルは、どこまでも果てしない。始末書は一枚見かけたら、書き直しも三十枚!なにかにつけて迷惑で、善良な市民の生活を脅かすこと犯罪のごとし!―今日も今日とて、町の治安を徹底的に挫滅轢断!まさに人災権化!なにゆえ国家はこのよーな竜巻女に給料を払うのか!?人民は悲痛に叫ぶ―俺の借金を返せーー!」(出典:無謀編5「お前のツラは見たくねえ!」) ・・・やっぱりオーフェンのボキャブラリーってすごいよねー、なんて。詰め込まれた熟語が台詞に重みを与えてます。
「愛・・・そうか、そういえばこの世にはそんな単語もあったようななかったような、あったはずだったけどやっぱりなかったような、あったらいいな、でもないかな・・・・・・ううう…いくら考えても『ない』が優勢になっちまう俺の人生って・・・」(出典:無謀編6「自分がイヤにならねえか?」) 愛という言葉に<なにか>を感じる、オーフェンのトラウマを表すうわごと。 PR